妊婦さんにとっておなかの赤ちゃんにとって心配なのが、冬になると猛威を振るう「インフルエンザ」への対策ですね。
インフルエンザ対策に予防接種を受けようかなと思っているけど、インフルエンザワクチンに含まれている防腐剤に水銀が含まれていると聞いて心配。
妊婦が予防接種を受けてもいいのか?おなかの中の胎児に影響はないのか?
心配な方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな妊婦さんの不安を解消するため、妊娠中のインフルエンザ予防接種についてお話していきます。
インフルエンザ 予防接種の防腐剤 妊婦に影響は?
インフルエンザ予防接種のワクチンには水銀由来の「防腐剤」が使われていることはご存知でしょうか?
まずはその防腐剤とは何か?簡単に説明していきます。
インフルエンザワクチンに使われる「防腐剤」とは?
防腐剤はインフルエンザワクチン開封後の細菌汚染防止のために使用されています。
この防腐剤は「チメロサール」という物質で、正式名をエチル水銀チオサリチル酸ナトリウムといいます。
「水銀」という文字が含まれていることから妊婦さんに「妊婦が打っても危険はないのか?」「胎児に影響はないのか?」と心配されています。
防腐剤はどのくらいの量が含まれている?
インフルエンザ予防接種に使用されているワクチンには防腐剤が入っているのものと、防腐剤が入っていないものがあります。
ワクチンに含まれる防腐剤の量は1ml中0.004mg~0.008mgと、極めて微量となっています。
防腐剤による副作用は?
通常のインフルエンザの予防接種にある副作用とほとんど同じで注射を打った部分が腫れたり、赤くなったりということがあります。
まれにじんましん、けいれんなどの重篤な副作用がありますが、これも通常のインフルエンザワクチンによる副作用と同じです。
防腐剤を使用しているからと言って特別重篤な副作用があったり、長引いたりといったことは今のところ無いと言われています。
防腐剤入りのインフルエンザ予防接種 妊婦への影響は?
前述のとおりインフルエンザワクチンに含まれる防腐剤の量は極めて微量で、さらに体内に蓄積されないという性質があります
防腐剤入りのワクチンを接種してもすぐに体外に排出されますし、特殊な副作用もないといわれています。
そのため妊婦さんが防腐剤入りのインフルエンザ予防接種を受けても特別危険なことはないとされているのです。
インフルエンザ予防接種は妊婦にとって危険?
先ほど、インフルエンザの予防接種ワクチンは妊婦さんが接種しても「特別危険はない」とお伝えしましたが、「そうは言っても・・・」とまだまだ心配される妊婦さんもいらっしゃると思います。
本当に危険がないのか?本当に大丈夫なのか?もっと掘り下げてお話していきます。
インフルエンザ予防接種よりもマグロの方が危険?
実はインフルエンザ予防接種のワクチンに含まれる「エチル水銀」よりも魚介類に含まれる「メチル水銀」のほうがはるかに毒性が強く身体に蓄積されやすいため、危険と言われています。
メチル水銀は水俣病に起因する物質ですね。
特にマグロ類やカジキ類は食物連鎖の上位にいますので、その身には高い濃度でメチル水銀が蓄積されているといわれます。
妊婦さんがマグロ類やカジキ類を食べるのを制限されているのはこのためなんですね。
メチル水銀は握り寿司1貫分に、予防接種の3~7倍の水銀を含んでいますので、予防接種よりもはるかに危険なことが分かりますね。
インフルエンザ予防接種に対する公的機関の見解
インフルエンザ予防接種は妊婦さんが接種しても危険じゃないのか?大丈夫なのか?この点についてWHO(世界保健機構)と厚生労働省がこのように回答しています。
WHO:2009年に「妊娠28 週以降の妊婦は特に肺炎などの合併症を引き起こしやすく重症化の危険が高い」「妊婦はインフルエンザの重症化により集中治療室を必要とする確率が 10 倍高い」という発表を行い、妊婦さんをインフルエンザ予防接種の「優先対象」としました。
厚生労働省:WHOの発表から日本の厚生労働省でも同じく、妊婦さんをインフルエンザ予防接種の優先対象とし、ワクチン接種を推奨しています。
以上のことからインフルエンザの予防接種に関しては「予防接種が危険」というよりもインフルエンザにかかってしまった「後」のほうが妊婦さんは危険が多いとされています。
インフルエンザ予防接種はインフルエンザの重症化を予防しますので、それを念頭にインフルエンザの予防接種を受けるかどうかを考えてみてくださいね。
妊婦さんにも安全安心なインフルエンザの予防接種とは?
インフルエンザの予防接種ワクチンには「防腐剤不使用」のものが存在します。
妊婦は病院で防腐剤が入っている予防接種か、防腐剤が含まれない予防接種かを選ぶことができますので、事前に病院や医師に相談してくださいね。
(病院によっては防腐剤不使用のワクチンを扱っていなかったり数が限られている場合があります)
【関連記事】>>妊婦用のインフルエンザワクチンがあるの?副作用や費用は?
インフルエンザ予防接種にかかる料金は?
インフルエンザの予防接種の1回あたりの費用は、通常のワクチンで大体2500円~3500円程度、防腐剤不使用ワクチンで3000円~5000円程度となっており、病院によって料金の差はありますが、不使用のほうが料金が高いことが一般的です。
出産は大きな出費が伴いますので、料金がネックになる場合もあるかと思いますが、防腐剤が含まれていても安全性に問題はないとされています。
少しでも心配な方は防腐剤不使用ワクチンを利用したりと、あなた一人ではなく周りの人とも話し合ってよりよい方法を検討してみてくださいね。
インフルエンザ予防接種 妊婦の胎児への影響は?
インフルエンザの予防接種が妊婦にとって危険というよりも、インフルエンザにかかってしまった後の方が大変ということで、インフルエンザの予防接種は推奨されていることが分かっていただけたと思います。
もう一つ、妊婦さんの心配事として「おなかの中の赤ちゃん」には問題はないのでしょうか?
日本では妊婦さんが接種したことによって、流産や胎児の先天性異常のリスクが高くなったという報告は現在のところありません。
また、インフルエンザの予防接種をしていてもインフルエンザにかかってしまう場合がありますが、妊婦さんがインフルエンザに感染しても生まれてくる胎児に影響することはないと考えられています。
しかしながら、まれにウイルスが胎盤を通って胎児に影響することがあるという報告もありますので、万が一妊婦さんがインフルエンザにかかってしまった場合はすぐにかかりつけの病院に相談しましょう。
まとめ
インフルエンザの予防接種は受けるべきか受けないべきか・・・
妊婦さんにとって自分の体も心配ですが、それよりもおなかの赤ちゃんに対して不安がいっぱいですよね。
今回お話したことを参考にしていただいておなかの中の大切な赤ちゃんを守るためにも
インフルエンザの予防接種を積極的に考えてみてはいかがでしょうか。
お母さんも赤ちゃんも健康で、元気に出産ができるようお祈りしております^^
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